医療法人社団 八葉会
訪問看護ステーション 茜(あかね)
( 訪問看護ステーション )
一般的な訪問看護ステーションと比べると、精神科訪問看護ステーションは数が少なく、未経験でも働けるのか、どんなスキルが求められるのか、なかなか実態がわからないという方も多いはず。東京都足立区の「訪問看護ステーション茜」は、教育サポートを充実させて、精神科や訪問看護に初めて挑戦する方も歓迎しているそうです。働きやすさも整っているそうなので、さっそく見学に行ってチェックしてきます!
- 形 態
- 訪問看護ステーション
- 所在地
- 東京都足立区/江北駅
玄関
「訪問看護ステーション茜」へのアクセスは、日暮里・舎人ライナー「江北駅」から徒歩約3分。「あみだ橋」バス停も近くにあり、西新井駅・王子駅・池袋駅方面から路線バスが運行しています。玄関では、所長さん(写真右)と副所長さん(写真左)が迎えてくれました。「ようこそ!近隣には運営母体の『医療法人社団 八葉会』の関連施設があり、特に、精神科病院の『大石記念病院』とは密に連携しているんですよ」。
大石記念病院
事業所の見学前に、歩いてすぐの場所にある「大石記念病院」へ。訪問看護の利用者様は、大石記念病院に通院している方が多いですか?「はい、全体の9割近い利用者様がそうです。ただ最近は、地域の他の精神科病院からの紹介も増えていますし、居宅のケアマネージャーや地域包括支援センター経由で利用につながる方もいらっしゃいます」。精神科訪問看護の利用ニーズは、年々増加しているそうです。
事業所
お次は事業所で、訪問エリアについて教えていただきました。「訪問エリアは事業所のある東京都足立区を中心に、荒川区・北区・豊島区・埼玉県川口市などで、移動時間は片道30分以内です。現在の登録利用者数は80名弱で、訪問看護は5名体制で、1人あたり10数名の利用者様を担当で受け持っています(2022年4月)」。担当看護師の急なお休みに備えて、サブ担当を2名ずつ設けているとのこと。
駐車場
お次は、駐車場で移動手段の電動自転車と訪問車を紹介していただきました。1日何件くらいのお宅を訪問するんですか?「看護師一人あたり1日5~6件の訪問に対応しています。利用者様によって利用回数・時間は異なりますが、週1~3回・1回45分前後のサービスを利用される方が多いです。入職後は、業務に慣れるまで先輩が同行訪問を行い、比較的症状の軽い利用者様から任せていくので安心してくださいね」。
訪問看護風景
つづいて、実際の訪問看護の様子を見学させていただきました。どんな利用者様が多いですか?「利用者様の年齢層は10代~80代と幅広く、精神科に通院されている方が多いです。当事業所では、夜間の緊急訪問・オンコールに対応していないため、要介護度や医療依存度が高い方はいらっしゃらず、住み慣れた地域で自立した生活を望む方や、就労支援を希望する方などが中心です」と、訪問看護師さん。
訪問看護風景
「時には、こんなふうに利用者様とお散歩を楽しむこともあります」と、教えてくれました。支援内容はさまざまなんですね。「そうなんです。主治医の指示書に基づき、病状観察や服薬管理を行うだけでなく、生活リズムや精神症状を安定させることも大事な仕事です。精神科看護は奥が深く、利用者様によってするべき対応が異なるので、お一人おひとりが思い描く生活に近付いていけるように、個別性の高い関わりを心がけています」。
事業所
事業所に戻り、絵が得意な利用者様にプレゼントしていただいたイラストを見せていただきました。利用者様と良好な関係を築いているんですね。「そうなんです。長いお付き合いの利用者様が多いので、家族のような信頼関係を築いています。利用者様に寄り添った生活援助によって、今までできなかったことができるようになり、笑顔が増えていくことが、精神科訪問看護の大きなやりがいだと感じています」と、お2人。
事業所
事業所に戻り、カンファレンスの様子を見学させていただきました。「当事業所ではチームワークを重視し、訪問先には一人で伺っても、チームで利用者様の看護にあたる意識を持っています。スタッフ間の情報共有のために、毎朝9:00から30分程度の朝礼を行い、毎週水曜日の15:00以降はカンファレンスと勉強会にあてているんですよ」と、皆さん。朝礼やカンファレンスでは、利用者対応について気軽に相談できるそうです。
事業所
事業所の一角には、外部セミナーをオンラインで受講中のスタッフさんがいました。「スキルアップ支援として、外部研修にも積極的な参加を促し、業務に関連するテーマであれば勤務扱いとし、費用も事業所が負担しています。当事業所では、OJT体制や学びの機会を充実させて、精神科や訪問看護に初めて挑戦する方も歓迎しているんです」。入職後は、精神科看護の基礎を身に付ける研修プログラムも用意しているそうです。
事業所
「副所長は、中学生・高校生・大学生の3人のお子さんを持つママさんなんです」と、教えてくれました。仕事と子育ての両立は順調ですか?「はい。9:00~17:00の実働7時間で残業が少なく、休みの希望が通りやすいため、子どもとの時間を大切にできています。当事業所には子育てが一段落した先輩ママさんが多いので、子どもの行事で仕事を休むことにも理解があり、育児の相談などもしやすい環境です」と、副所長さん。
事業所
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。どんなところが働きやすさにつながっていますか?「人間関係が良好で、より良い仕事をするための意見・アイディアを発信しやすいところです。事業所内だけでなく、『大石記念病院』の医師や看護師とも気兼ねなくコミュニケーションが取れ、所属を超えた多職種チームで利用者様の支援にあたっています」と、皆さん。それは素晴らしいですね。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。未経験者も歓迎の精神科訪問看護ステーション、いかがでしたか?
- 精神科や訪問看護に初めて挑戦する方も歓迎していて、入職後の研修プログラムやOJT体制を手厚く整えていました。現在働くスタッフも未経験で入職した方が多く、所長は精神科が初めて、副所長は精神科も訪問看護も初めてだったそうで、働きながら専門性を身に付けていったそうです。
――どんな看護スキルが求められますか?
- 一番求められるスキルは自立生活援助で、住み慣れた地域で自分が思い描く生活が送れるように、多方面からアプローチしていきます。家事・買い物・外出・金銭管理・就労など、利用者様によって支援内容はさまざまで、一般的な訪問看護のように医療処置を行うことはないため、看護技術に自信のない方でも大丈夫です。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 利用者様と向き合うことを大切にしているスタッフさんばかりなので、精神科に興味を持って学び続けられる人でないと難しいかもしれません。入職時教育に時間をかけ、わからないことはわかるまで丁寧に教えてもらえる環境なので、自分次第でどんどん成長できる職場だと思います。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 運営母体の「医療法人 八葉会」は、足立区でさまざまな関連施設を運営していて、長い歴史と実績があり、経営基盤も安定しているとのこと。待遇・福利厚生・子育てサポートなども整っているため、職員定着率が高いそうです。
精神科訪問看護に興味があり、未経験から深めていきたい方。
精神科や在宅医療に携わった経験を活かせる職場を探している方