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ケアマネージャーの具体的な仕事内容とその役割を徹底解説

2024年02月26日

コロナ禍で最もリスペクトを持って注目された職業と言えば、エッセンシャルワーカーですね。エッセンシャルは「必要不可欠な」という意味で、エッセンシャルワーカーは、人々の生活や生命にとって欠かせない職種を指します。

介護福祉に携わるケアマネージャーもエッセンシャルワーカーの職種のひとつであり、日本における正式名称は「介護支援専門員」と言います。

そんなケアマネージャーとしてこれから活躍したい方や、これまでの経験を活かしてさらにキャリアアップしたい方のために、この記事ではケアマネージャーのリアルなお仕事内容についてご紹介しています。

ページ目次

ケアマネージャーの仕事内容と範囲について

ケアマネージャー(介護支援専門員)の具体的な役割は、介護保険法に基づいて、要介護者や要支援者等がその状況に応じた介護サービスを受けられるように支援することです。
要介護者や要支援者は人により必要な介護サービス内容が異なりますので、ご本人やご家族からの相談を受け、さまざまな介護サービスの中からご利用者にマッチしたものを選び、ご利用者およびそのご家族に必要なプランを提案し実現していくことが求められます
まずは、これからケアマネージャーになりたい方のために、「ケアマネージャーとは」「必要な資格と取得方法は」などについてご説明いたします。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の定義とは

厚生労働省は、ケアマネジャー(介護支援専門員)について以下のように定義しています。

介護支援専門員とは、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者とされています。

また、要介護者や要支援者の人が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けた者とされています。

出典:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf

つまり、ケアマネージャーのお仕事は介護保険制度とは切っても切り離せない関係にあり、介護保険についての理解が必要不可欠と言えます。

ケアマネージャーと介護保険との関係性と役割

介護保険制度は、高齢化社会を背景に社会全体で介護を支えることを目的として、日本では平成12(2000)年に創設されました。介護が必要になった時、介護保険制度によるサービスを受けるには、ケアプランを作成しなければなりません。また、区市町村の行政や介護サービスを提供する施設などとの連絡や調整も必要です。その役割を担うのがケアマネージャーとなります。

ケアマネージャーの資格取得と合格率

ケアマネージャーの受験資格は、規定の国家資格を持っていて実務経験が通算5年以上(かつ900日以上従事)あるか、国家資格はなくとも施設等での相談援助業務に就いていて実務経験が通算5年以上(かつ900日以上従事)あることです。

受験の申し込みは都道府県で行い、その後、毎年10月に介護支援専門員実務研修受講試験が実施されます。合格発表は同年の12月になりますが、これに合格しますと年明けに実務研修が実施されます。実務研修は合計87時間以上にわたるもので、これを修了することで、介護支援専門員資格登録簿への登録を申請し、介護支援専門証を取得することができるのです。

受験者数は年によって変動しますが、2023年度(第26回)は受験者数は56,494人で、合格者数は11,844人だったそうです。例年、合格率は20%を下回ることが多く、想像以上に狭き門であることがわかります。

▽ケアマネージャーの資格については、以下の記事もご参照ください。

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ケアマネージャーというお仕事のやりがい

ケアマネージャーというお仕事には、介護サービスに関する専門的な知識が必要とされ、医療系・介護福祉系での前職の専門的なノウハウや経験も活かせます。また、ご利用者ご本人様やそのご家族にわかりやすい説明を行い、行政や施設関係者と折衝を行うことも多く、コミュニケーション力を発揮できるのもやりがいのひとつです。

この章では、ケアマネージャーのお仕事のやりがいと魅力について、その根拠となる事実をご紹介します。

介護分野でのケアマネージャーの需要と重要性

内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」によると、日本の65歳以上人口は3,623万人となり、いわゆる高齢化率は29.1%となりました。「団塊の世代」が75歳以上となる令和7(2025)年には3,653万人に達すると見込まれ、令和25(2043)年に3,953万人となり、高齢化率のピークを迎えると推計されています。

内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版) ~ 第1章 高齢化の状況(第1節 1)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_1_1.html

この高齢化社会に伴い、介護需要が高まり続ける一方で、ケアマネージャー不足が懸念されています。

施設ケアマネージャーと居宅ケアマネージャーの違い

ケアマネージャーの就職先は、施設内でサービス提供を行う施設ケアマネージャーと、利用者さん宅を一軒一軒訪問して対応する居宅ケアマネージャーとでは異なります。また、業務内容も多少異なりますので、わかりやすいよう、以下のように一覧表で比較してみました。

施設ケアマネージャー 居宅ケアマネージャー
勤務先 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、介護付き有料老人ホーム など 居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)、介護予防支援事業所(地域包括支援センター)など
主な業務 施設入居者のケアプラン作成、ケアプランどおりのサービスが提供されているかどうかなどの確認を行うモニタリング、事務や介護補助を行うこともある 利用者の自宅におけるケアプラン作成、利用者とサービス事業者間の調整、ケアプランどおりのサービスが提供されているかどうかなどの確認を行うモニタリング
担当人数 100人以内 35人以内
研修 少ない 多い

施設ケアマネージャーと居宅ケアマネージャーの業務の流れをイメージ図で比較すると、以下のようになります。

出典:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf

地域包括支援センターにおけるケアマネージャーの役割

地域包括支援センターは、区市町村が中心となり、地域の高齢者に対する総合相談窓口としての役割を果たしています。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)等を配置して、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行います。

地域包括支援センターのケアマネージャーが相談を受けるのは、高齢者の介護サービスに関することとは限りません。場合によっては、障がい者や児童に関する相談を受け付けて対応することもあります。したがって、一般的なケアマネージャーよりも幅広い知識とノウハウ、他の専門スタッフとの連携力が必要です。

また、地域包括支援センターの主任ケアマネージャーと地域のケアマネージャーが協働して、問題解決に当たることもあります。主任ケアマネージャーになるには、5年以上のケアマネージャーとしての実務経験や主任介護支援専門員研修の受講など、さまざまな要件をクリアしなければなりません。

多種多様なキャリアパスが描けるケアマネージャー

ケアマネージャーの魅力のひとつとして挙げられるのが、多彩なキャリアパスが描けることでしょう。

専門性を深めたいなら、主任ケアマネジャー、認定ケアマネジャー、社会福祉士、介護福祉士、高齢者施設管理者…といった、さらなる資格取得やスキルアップを図れます。

組織のマネジメントとして活躍したいなら、施設長、部課長やリーダーなどを目指すこともできます。

あるいは経験を積んで人脈のネットワークを活かせば、居宅介護支援事業所や訪問介護事業などの独立開業も可能です。

ケアマネージャーの具体的な仕事内容をわかりやすく紹介

では、ケアマネージャーの具体的な仕事内容についてご紹介しましょう。施設ケアマネージャー、居宅ケアマネージャー、地域包括支援センターのケアマネージャーで、それぞれ役割や業務は多少異なりますが、いずれのケアマネージャーも必ず行う業務について簡単に説明いたします。

相談対応・インテーク・アセスメント

相談対応業務では、日常生活での介護方法や工夫の仕方、介護者の負担軽減アドバイス、経済的な支援や制度利用の紹介、地域の介護サービス以外の社会資源の紹介、成年後見制度や権利擁護に関するアドバイスなどを行います。また、要介護者のいるご家族の不安に寄り添い、介護と仕事の両立に関するアドバイスなどを行うこともあります。

インテークとは初回の面接のことで、アセスメントとはケアプランを作成するために情報を収集・分析し、整理していくことです。「ご利用者の健康に関する認識」「栄養摂取」「排泄」「身体活動」「睡眠」「認知」「自己知覚」「役割と関係」の7項目がアセスメントに必要な視点とされています。

ケアプランの作成

ご利用者が介護保険を使ったサービスを利用するために必須となる計画書の作成で、ケアマネージャーの核となる業務です。ケアマネジャーはご利用者の状態を把握し、その状態に合わせて介護サービスを提供する事業者を選び、サービスを組み合わせてケアプランの原案を作成します。

そして、ご利用者やご家族と内容をひとつひとつ検討・チェックして、ケアプランを修正します。さらに、サービス担当者との会議を通して内容を確認し、ケアプランを完成させます。
介護計画書については以下の記事も合わせてご覧下さい。

モニタリング

モニタリングも、ケアマネージャーの重要な役割のひとつです。せっかく作り上げたケアプランが、介護の現場で実施されていなければ意味がありません。そこで、ケアプランどおりの介護サービスが行われているかどうか、ケアマネージャーが実際に自身の目で確かめるのがモニタリングです。

ケアマネージャーはご利用者が入所している施設やご自宅を実際に訪問して、以下の点を確認し、今後の介護サービスの対応に活かします。

  • ・ケアプランどおりの介護サービスが提供されているか
  • ・ご利用者・ご家族の満足度
  • ・新たな要望やニーズの聞き取りと把握
  • ・サービス提供事業者からの意見の有無
  • ・目標達成状況

ケアマネージャーができないこと・してはいけないこと

例えば、介護の相談業務やモニタリングにあたっていると、ご利用者やそのご家族からお願い事をされてしまうこともあるかもしれません。しかし、ケアマネジャーにはその役割と職務を遵守するため、できないことがあります。特に以下の点については「介護保険法のルール上できません」と、きっぱりお断りしましょう。

  • 家事の代行業務
  • 通院の介助
  • 介護保険に無関係な行政代行手続き
  • 身元保証人の引き受け
  • ご利用者の金銭管理

まとめ:年齢を重ねても活躍できるケアマネージャーの将来性

ケアマネージャーに、基本、定年制はありません。むしろ、人生経験を積み重ねれば積み重ねるほど、人間力やノウハウが発揮できる職業です。また、ケアマネージャーの平均年収は約400万円とされていますので、介護職の中でも高い収入水準にあると言って良いでしょう。

▽ケアマネージャーの収入については、以下の記事もご参照ください。

今後、高齢化が加速するにつれて、ますます社会的ニーズが高まるケアマネージャー職。これから資格を取得してチャレンジしたいという方も、キャリアアップやスキルアップを目指して転職したいという方も、非常に将来性のあるお仕事ですので、前向きに検討されることをおすすめします

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介護21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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