2024年01月26日
介護の求人には「未経験OK」となっているものも多いですが、本当に経験がなくても大丈夫なのでしょうか?
この記事では介護職の職場や仕事の内容、必要となる資格について紹介し、未経験で介護業界に転職されることに不安を感じていらっしゃる方のためにご自身に合う求人の探し方も解説します。
―― 1.介護職は売り手市場。未経験でも採用されやすい
―― 2.年齢は不問。40代・50代からの転職もOK
―― 3.資格をとることでキャリアアップが可能
2.知っておきたい介護の職場と働き方
―― 主な介護の職場の種類と働き方
――― 入所施設
――― 通所施設
――― 訪問介護
―― 未経験者ができる主な仕事内容
3.未経験者がとっておくべき介護職の資格は?
―― 未経験者におすすめは「介護職員初任者研修」
―― 上位資格をとれば国家資格も取得可能
4.未経験者におすすめの求人の見極めポイントは?
―― 研修制度が充実している
―― 資格支援制度がある
―― スタッフの人員に余裕がある
5.未経験者の介護求人探しはどこがおすすめ?
―― 介護職専門の転職サイト
―― ハローワーク
―― 新聞・折り込みチラシ
6.介護職未経験者にありがちな不安3選と解決方法
―― 体力的にきつそうで不安
―― 夜勤や休日勤務がありそうで不安
―― 人間関係がうまくいくか不安
7.まとめ:介護職への転職は未経験でも可能性大
介護職は未経験でもOK!介護職で働く3つのメリット
結論からいうと介護職のほとんどは本当に未経験・無資格からでも問題ありません。介護業界は常に求人は豊富で、どなたでもチャレンジできる状況です。以下で未経験者の方が介護職として働くメリットをご紹介します。
1.介護職は売り手市場。未経験でも採用されやすい
日本は高齢化が進んでおり、介護職員の需要が右肩上がりです。一方で労働者人口の減少によって人手不足の状態となっており、人材の確保が急務となっています。
『令和4年度介護労働実態調査』によると、6割強もの事業所が人材不足であると回答しています。そうした背景もあって門戸を拡げるために「未経験者OK」の求人も多く、未経験の方でも採用されやすい状況です。
介護の専門知識は働きながら身につけていくことができ、約3割の転職者が未経験から勤務をはじめています。
2.年齢は不問。40代・50代からの転職もOK
上記のとおり介護業界は人材不足であるため、40~50代の転職者も積極的に受け入れています。『令和4年度介護労働実態調査』によると、介護職員の平均年齢は48.0歳。年代別の割合は「45歳以上50歳未満」が15.1%で最も高く、次いで「50歳以上55歳未満」が14.2%となっており、30歳以上から60歳未満で各年代がバランスよく働いています。
転職市場ではどうしても年齢が上がるにつれて不利になってしまいますが、20代、30代の若年層はもちろん、何歳からでも転職しやすいのが介護業界の魅力です。
3.資格をとることでキャリアアップが可能
介護職として働きながら専門知識を学び資格を取得することでキャリアアップが可能です。未経験者の場合はまず「介護職員初任者研修」、その上位である「実務研修」を受講し、その後は国家資格の「介護福祉士」などの資格を取得することができます。
上位資格を取得すれば仕事の幅が拡がり、リーダーや管理職として活躍することも可能です。また、資格手当などが支給されるようになる。昇給するなどして収入がアップする可能性もあります。
知っておきたい介護の職場と仕事内容
以上のように介護業界では求人が豊富で未経験の方でも十分活躍できるチャンスがあります。ここからは具体的に働き方がイメージできるよう、介護職が活躍できる職場や働き方、未経験者ができる仕事内容についてご紹介します。
主な介護の職場の種類と働き方
介護の職場には大きく分けて以下の3つの業態があります。特に未経験者の方は混乱しやすいため、まずはそれぞれの職場の特徴や働き方の違いについて知っておきましょう。
入所施設
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などが挙げられます。施設の種類によって要介護度が異なり、それによってサービスの内容も変わってきます。利用者は施設で生活されるため24時間対応する必要があり、基本的にシフト制で夜勤がある職場です。
通所施設
デイサービスや通所リハビリテーション施設(デイケア)などが挙げられます。自宅で暮らす高齢者が日中に通う介護施設で、比較的要介護度が低めの方が利用される施設です。食事や入浴介助、機能訓練、レクリエーションなどが主なサービスとなっています。日中のみの利用なので、基本的に夜勤はありません。
訪問介護
訪問介護は高齢者の自宅を訪問し身体介護や生活援助などを行う介護サービスです。1軒につき1時間〜1時間半程度サービスを行い、1日に数軒の高齢者宅をまわります。訪問介護員(ホームヘルパー)は基本的に1人で利用者の自宅を訪問します。なお、訪問介護は初任者研修以上の有資格者でないとできないため、先に上記の介護施設に転職して経験を積みながら資格を取得するのが一般的です。
未経験者ができる主な仕事内容
未経験者の場合、まずは有資格者のサポートからはじめることになります。利用者の顔と名前を把握し、シーツの交換やベッドメイキング、施設の清掃、食事の配膳と下膳などがメインです。また、有資格者の指示による補助的な身体介護、送迎業務、介護事務なども行います。
資格を取得すれば自分で身体介護ができるようになるため、仕事の幅が広くなってより裁量をもった働き方ができるようになるはずです。
未経験者がとっておくべき介護職の資格は?
介護業界では資格をもっていなくても転職はできますが、資格を取得することでより仕事の幅が広くなり、キャリアアップや収入アップにもつながるため、ぜひ働きながら資格取得を目指してみましょう。
未経験者におすすめは「介護職員初任者研修」
介護職として転職したらまずは「介護職員初任者研修」を受講しましょう。介護の入門資格であり、経験・保有資格を問わず誰もがチャレンジすることができます。130時間の研修を受講して修了試験に合格することで資格が取得でき、試験の難易度も易しめです。
上位資格をとれば国家資格も取得可能
初任者研修の上位資格として「実務者研修」があります。3年以上の実務経験を積めば受講が可能となりますので、まずは現場で経験を積んで取得を目指しましょう。実務者研修の取得は国家資格である「介護福祉士」の受験要件となっているため、将来的に介護福祉士を目指されている方には必須の資格です。
未経験者におすすめの求人の見極めポイントは?
有資格者や即戦力となる人材を求めている事業所もあり、そうした求人に応募した場合は採用されにくくなってしまいます。介護未経験の方が求人を選ぶ際には、「未経験者歓迎」を打ち出している事業所を選ぶのがおすすめです。
未経験者を募集している求人を探すことを前提に、以下のようなことを意識しておきましょう。
研修制度が充実している
仕事を経験しながら学んでいくOJTを導入している職場も多いですが、それに付随して研修がしっかりとあって事前に知識を教えてくれる職場を選ぶと、未経験者にとってはより一層働きやすいです。
資格支援制度がある
受験料を負担したり受験や試験勉強のために勤務時間を融通したりするなど、資格取得支援制度を設けている事業所もあります。こうした職場であれば資格取得にかかる金銭的な負担が軽く済み、仕事と資格取得の両立もしやすいためおすすめです。
スタッフの人員に余裕がある
極端な人手不足に陥っている職場や規模が小さすぎる事業所は即戦力が求められるため、未経験者への研修やフォローに十分時間を割けない可能性もあります。一概にはいえませんが、施設の規模が大きく人員が十分にいる事業所ほど、無理なく仕事を任してもらえ余裕を持って働ける可能性が高いです。
未経験者の介護求人探しはどこがおすすめ?
ここからは皆さんが一番気になる介護求人の探し方についてご紹介します。
介護職専門の転職サイト
転職サイトはネットでいつでも・どこでも求人情報を探せるので非常に便利です。特に介護職専門の転職サイトであれば、事業所間の比較がしやすいです。
転職サイトのなかにはエージェントが職場を紹介してくれる人材紹介の側面が強いものもありますが、まずは詳しい求人情報が掲載されていてそれを誰もが気軽に閲覧でき、求職者と事業者とが直接やり取りできるようなオープンなタイプの求人サイトで探してみましょう。
「介護21」は知りたい施設の求人情報が充実していて直接応募ができる介護職専門の転職サイトです。情報収集としてもご活用可能ですので、ぜひ一度ご覧ください。
ハローワーク
ハローワークは厚生労働省が運営する公的な総合雇用サービス機関で、全国約500箇所に設置されています。事業所は費用をかけることなく人材を募集できるため利用率が高く、求職者は非常に多くの求人情報にアクセスすることができます。
また、ハローワークでは介護に関する就業支援も行なっているため、未経験の方は最寄りのハローワークが実施する研修に参加して基礎的な知識を習得してから求人を探すのもおすすめです。
新聞・折り込みチラシ
新聞の求人欄や折り込みチラシなどにも介護職の求人が掲載されていることがあります。これらの媒体は地域を限定して配布されているため、自宅から通える地元の施設を探すのにはおすすめです。
介護職未経験者にありがちな不安3選と解決方法
「介護はキツイ」というイメージもあるかもしれません。未経験の方は特に介護業界に転職される際には不安が大きいかと思います。ここでは皆さんが抱きがちな不安と実態、その解消方法についてご紹介します。
体力的にきつそうで不安
介護業務のなかには利用者の身体に触れる「身体介護」があり、たしかに立ち仕事や屈んだ姿勢で行う仕事も多く、身体的にキツイと思われることもあります。
しかし、理論をしっかりと学んで正しい介護技術を身につければ、身体への負担を軽減することが可能です。そういった意味でも「介護職員初任者研修」などの研修を受講し、資格を取得されることをおすすめします。
高齢者の要介護度合によって身体介護を行う度合いも変わるので、職場を選ぶ際には確認しておきましょう。
夜勤や休日勤務がありそうで不安
利用者の方が生活されている入居施設では24時間対応が求められるため、常勤職員として働く場合は夜勤がある可能性が高いです。日勤のみを希望する場合は、入居施設以外を探すのが良いでしょう。
また、介護職員はシフト制で勤務するケースが多く、1ヶ月の休日が少ないように思われるかもしれません。しかし、年間の休日数で比較するとほぼ他の業界と同水準です。待遇改善や人手不足の解消のため、休日をしっかりと取得できるよう取り組みを強化している職場も増えています。
人間関係がうまくいくか不安
介護の仕事は周りのスタッフとの協力や連携が欠かせないため、人間関係は非常に重要となります。確かに「人間関係」を理由に離職する人の割合が高いのは事実です。多くの介護施設では就業前の設備内見学に対応しているので、可能であれば実際に働く職場を見学し、職場の雰囲気に馴染めそうか?スタッフ間で連携が取れていそうか?を確かめてみましょう。
まとめ:介護職は未経験でも可能性大
未経験の方であっても介護職として活躍できる可能性は十分にあります。知識やスキルを身につけ資格を取得すれば、キャリアアップや収入アップも狙えます。ぜひ今回ご紹介した求人の探し方や見極めるポイントを意識して介護施設を探してみましょう。
介護21ではさまざまな介護業界の求人情報や転職ノウハウをご紹介しています。ぜひ他の記事も参考にしてみてください。
介護21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。