2024年02月20日

転職活動で重要視される面接。特に介護業界では、一般企業と比較すると書類選考にはさほど重きを置かず、面接によって採用・不採用を決める事業所が多数存在します。重要視されている面接だからこそ、どんな服装で行けば良いのか、どんな質問をされるのか悩む方も多いことでしょう。今回は、転職面接での適切な服装とよくある質問、面接時のその他の注意点をご紹介します。
2.介護面接の適切な服装【男女別】
―― 男性スーツ編
―― 男性私服編
―― 女性スーツ編
―― 女性私服編
3.介護面接ではNGな服装
4.面接で聞かれる質問と回答のポイント
―― 面接でよく聞かれる質問の例
―― 面接官は回答のここをチェックしている
―― 最後に聞かれる逆質問の答え方
5.面接での好ましい回答のポイントとNG回答
―― 前向きで意欲的な回答をする
―― 回答は一貫した内容にする
―― 求める人材のイメージ像を意識する
―― 曖昧な回答や後ろ向きな印象の話し方はNG
6.気をつけたい面接時のその他の注意点
―― 清潔感のある身だしなみを心がける
―― 遅刻は厳禁。余裕をもって到着する
―― 携帯電話はマナーモードにしておく
7.まとめ:介護職の面接は準備をしっかりしておこう
1.介護業界では書類より面接を重視
一般企業を含め多くの業界では、書類選考を経て面接を行うケースがほとんどです。 しかし、介護業界では、人とのコミュニケーションが大切になる仕事のため、書類審査よりも面接を重視する傾向があります。書類審査と同時に面接を行い、応募者の人となりを面接で確認することが、介護業界では一般的です。
人の第一印象は最初に顔と顔を合わせてから、「3~5秒で決まる」といわれていて、第一印象を決めるのは、視覚情報からくる外見が半分を占めています。だからこそ、第一印象に影響する服装選びは重要なのです。
2.介護面接の適切な服装【男女別】
ここからは、男女別の適切な服装例をご紹介します。
男性スーツ編
スーツの場合は、黒、紺、グレーなどの落ち着いたカラーが好まれます。生地は無地のものやストライプが良いでしょう。インナーシャツは白色の無地が基本です。白シャツがない場合は、薄い水色など爽やかな清潔感のある印象にしてくれるものを選びましょう。ネクタイは、派手なデザインや派手な色のものは避けてください。面接時のおすすめカラーは紺、水色、エンジ、緑、グレー、薄い黄色などです。落ち着いた色味もしくは爽やかさを演出してくれるカラーを選択してください。
男性私服編
私服の場合は、シャツにジャケットまたはカーディガンを着用し、ボトムはスラックスやチノパンで落ち着いた印象を演出しましょう。足元は革靴で行くと、全体の服装が引き締まります。
女性スーツ編
スーツの場合、黒や濃紺、グレーなどの落ち着いたダーク系のカラーがベスト。スカートタイプかパンツタイプで悩まれる方もいますが、どちらでも大丈夫です。スカートタイプの場合は、膝が隠れるくらいの丈で、ストッキングは肌色のものを選ぶようにしましょう。パンツタイプは、タイトすぎず、自分にフィットしたサイズのパンツを選び、座ったときにくるぶしが隠れるくらいの長さがおすすめです。シャツは男性と同じで白色の襟付きシャツが基本になります。シミ・シワがなく清潔感があるか確認しておきましょう。
女性私服編
私服の場合は、ブラウス・ジャケットまたはカーディガン、膝丈のスカートといった一般的に「オフィスカジュアル」と呼ばれる服装が適しています。また介護体験実習などがある場合、床にしゃがんだり中腰になったりする可能性もあるため、チノパンなど多少動きやすい格好で行くと良いでしょう。基本的に奇抜な色味でなければ、女性の場合は特に問題ありません。黒や濃紺などのダーク系の色味から、薄い水色や黄色といったパステルカラーの明るい色味でも爽やかな印象を与えてくれます。
3.介護面接ではNGな服装
Tシャツやジーンズなどカジュアルすぎる服装や、派手な色味の服装は、面接のようなオフィシャルな場面では失礼にあたります。
また、面接は介護施設で行うことが多く、施設によっては利用者の方の身体を傷つける可能性があることから装飾品を禁止している場合もあります。そのため、アクセサリー類や腕時計などは外して、面接に臨むようにしましょう。
4.面接で聞かれる質問と回答のポイント
面接で聞かれる質問はある程度パターン化されていますので、事前にしっかりと対策さえしておけば緊張せずスムーズに話せて、採用担当者にも想いや熱意が伝わりやすくなります。
ここからはよくある質問の例とその受け答え方をご紹介しますので、参考にして自分なりの答えを考えてみましょう。
面接でよく聞かれる質問の例
面接でされる質問は主に以下の5つのパターンに分けられます。それぞれ質問例を作成しましたので、これを参考に回答を考えてみましょう。
【よく聞かれる質問の例】
自己紹介・経歴
Q自己紹介をしてください
Qこれまでの経歴を教えてください
Q転職を決めた(前職を辞めた)理由は何ですか?
志望動機
Q介護の仕事を選んだ理由は何ですか?
Q当施設に応募した理由を教えてください
仕事観・働き方について
Q仕事をするうえで大切にしていることはありますか?
Q 介護職をしていて嬉しかったことは何ですか?
Q今後の目標やキャリアプランはありますか?
長所・適性について
Qご自身の長所と短所を教えてください
Qこれまでご高齢者と関わったことはありますか?
Q最近の介護に関してのニュースで気になったものはありますか?
Qストレス解消法は何ですか?
入社後について
Q入社後はどんな業務を担当したいですか?
Q残業や夜勤はできますか?
Q入社が決まった場合、いつから働けますか?
逆質問
Q最後に質問したいことはありますか?
まず面接開始後に自己紹介があり、その後経歴を確認され、それから仕事観や志望動機、長所など、求職者の考えを深堀りするような質問がなされます。特にこの部分はしっかりとした対策が重要です。また、希望する条件や入社後の働き方に関する確認もあります。最後に逆質問があり、面接が終了するという流れが一般的です。
面接官は回答のここをチェックしている
採用担当者は面接の受け答えの内容で、「その求職者が求めている人材なのか否か?」「事業所や施設に合っていそうか?」を見極めます。
たとえば志望動機からは求職者の熱意や価値観がわかります。事前にしっかりと自己分析を行い、応募先の強みや業務内容などもリサーチしておきましょう。仕事観・働き方を尋ねれば、その人の姿勢や考え方が施設の方針や業務内容に合っているかどうかがわかります。
このように、採用担当者はさまざまな角度から質問をしてそれに対する受け答えの内容を検討した上で採用するメリットがあると感じられたら内定につながります。「自分を採用することで応募先にどのようなメリットがあるか?」を意識してみましょう。
最後に聞かれる逆質問の答え方
逆質問とはその名のとおり求職者が採用者側に質問をすることです。面接は選考の場であると同時にすり合わせの場でもあります。これから応募先で働く上で疑問や不安に思っていること、あるいは希望があれば遠慮なく聞いてみましょう。概ね面接の最後に逆質問の機会が設けられます。
逆質問をまったくしないと意欲がないとみなされてしまう場合もありますので、事業内容や業務内容、労働条件、職場の雰囲気など、気になることを尋ねてみましょう。
ただし、給料や休日、残業、福利厚生など待遇や条件面に関する質問ばかりするとマイナス印象につながりかねません。また、求人情報を見ればわかることやすでに説明を受けている内容について質問すると、やはり準備不足という印象を与えてしまいます。逆質問で聞く内容に関してもあらかじめ考えておきましょう。
5.面接での好ましい回答のポイントとNG回答
面接ではまず意欲や介護という仕事に対する熱意があるかどうかが見られます。介護業界では売り手市場が続いていますが、やる気や想いが伝わらなければなかなか採用にはつながりません。ここからは面接で好印象を与えられる回答のポイントとNG回答についてご紹介します。
前向きで意欲的な回答をする
働くうえでは前向きな姿勢、意欲的な姿勢が求められます。特に介護は人と接する機会が多い仕事なのでコミュニケーション能力が必須です。ボソボソとした声で内向的な雰囲気になっていると採用担当者からの印象が悪くなってしまいます。また、採用されたとしても利用者や他の職員を不安にさせてしまうことがあるかもしれません。まずは自信をもって大きな声で、ハキハキと受け答えをしましょう。
前向きさが伝われば、「この人といっしょに働いてみたい」「この人なら利用者さんとも問題なくコミュニケーションが取れそう」という印象を与えられ、採用につながる可能性が高まります。
回答は一貫した内容にする
面接の受け答えは履歴書に記載した内容と極力一致させましょう。採用担当者は多くの場合面接時に履歴書を見ながら受け答えを聞いています。受け答えと履歴書に食い違いがあると嘘をついている、意欲がないという印象を与えかねません。履歴書に記載した内容をベースにして面接の回答も考えてみましょう。
履歴書も面接の回答も、「○○だから□□だと思う」「○○したいから□□をする」というように根拠を明確にしておくことで説得力が増し、食い違いが生じにくくなります。
求める人材のイメージ像を意識する
「気配りができる人」「向上心がある人」「リーダーシップがある人」など、それぞれの事業所や施設には求める人材のイメージ像があります。たとえば応募先が気配りをできる人材を求めている場合、具体的なエピソードも交えて気配りができることをアピールすれば好印象につながるはずです。
多くの場合、採用ページや求人情報などに「求める人物像」が記載されています。しっかりとチェックした上で、応募先が求める人物のイメージ像を意識しながら履歴書に記載する内容や質問に対する回答を準備しましょう。
ただし、必ずしも求める人物像に合わせる必要はありません。自分を偽って採用になっても、その後に首を締めることになります。
曖昧な回答や後ろ向きな印象の話し方はNG
面接時には極力曖昧な回答は避けましょう。たとえば志望動機を聞かれたときに「雰囲気が良さそうだから」と答えるだけでは説得力がありません。「どこが?」と突っ込まれる可能性が高く、場合によっては熱意や本気度が足りないと思われてしまいます。やはり、「なぜそう思ったのか?」「こういう理由があるからこう思った」という根拠を明確にすることが大切です。
また話し方も意識しましょう。声が小さかったり自信がなさそうな受け答え方をしたりするといくら内容が良くてもそれが採用担当者に伝わりにくくなってしまいます。繰り返しになりますが、ハキハキと、前向きな姿勢で面接に臨みましょう。
6.気をつけたい面接時のその他の注意点
面接の受け答えが完璧にできたとしても、社会人としてのマナーが守れていないと不採用になりかねません。それは非常にもったいないことです。最後に、面接のマナーをもう一度確認しておきましょう。
清潔感のある身だしなみを心がける
記事の前半で面接時の服装についてご紹介しましたが、重要なのは清潔感です。特に介護の現場では人を不快にさせないこと、衛生面に配慮することが求められます。
たとえ今回の記事を参考にスーツを着て行ったとしても、シワがあったり汚れやホコリが目立っていたりしては清潔感がない印象を与えてしまいます。細部にまでしっかりとチェックしましょう。
遅刻は厳禁。余裕をもって到着する
時間厳守は社会人が守るべき最低限のマナーです。特に人生を左右する面接に遅刻すると見識を疑われ、これだけで不採用になってしまう可能性すらあります。
公共交通機関の遅れや渋滞も見込んだ上で、少なくとも面接会場には10~15分前に到着するよう事前に計画を立ててください。早く到着してしまった場合は、履歴書や受け答えの内容を確認することで落ち着いて面接に臨めるようになります。
携帯電話はマナーモードにしておく
面接中に携帯電話やスマートフォンの着信音が鳴るという事態も絶対に避けましょう。あらかじめマナーモードになっているかを確認してください。バイブ音が響く場合もあるので、電源を切るかサイレントモードや機内モードなどを活用するとより確実です。
7.まとめ:介護職の面接は準備をしっかりしておこう
他の職員と連携しながら利用者をサポートする介護職ではコミュニケーション能力や人間力が必須となるため、書類選考や筆記試験よりも人柄がわかる面接が重視されます。服装から面接の受け答えの内容や話し方、基本的なマナーまで、求職者はありとあらゆる角度から見られています。
採用担当者に好印象を持ってもらえるよう、細部にまでこだわって準備を進め、万全の態勢で面接に臨みましょう。面接前の準備では「介護21」が役に立ちます。「Webで施設見学」では、独自取材で得た情報を全て発信しています。志望動機や逆質問等の際に面接官を唸らせるための情報収集に是非活用してください。

介護21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。