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異業種から介護職への転職:成功に導くポイントを紹介

2024年10月23日

まったく関係ない業種・職種から介護業界への転職を考えられている方もいらっしゃるかと思います。「資格や経験が必要なのでは?」と不安に思われるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?

この記事では介護業界への転職を考えられている方のために、転職事情や異業種からの転職に向いている介護職種について解説。介護業界で働くメリットや転職を成功させるためのポイントについてもご紹介します。

ページ目次

異業種から介護職への転職は増えている?

異業種から介護業界への転職を考えられている方はなにかと不安を抱きがちですが、実は介護とは全く関係がないと思われる業種・職種から転職して活躍されている方も多いのです。まずは介護業界の転職事情について見ていきましょう。

なお、介護職の詳しい仕事内容については「介護スタッフとは?仕事内容や勤務先、資格について」でご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。


介護職は異業種からの転職が最も多い

公益財団法人 介護労働安定センターが発表している令和3年度『介護労働実態調査』によると、介護業界では新たに就業する人のうち、75.7%が中途採用であるという結果が出ています。

さらに、そのうち63.1%が「介護・福祉・医療関係以外の仕事」と回答しており、異業種・異職種からの転職もまったくめずらしいことではないのです。

実は介護職は資格がなくても従事することが可能です。一部従事することのできない業務がありますが、「未経験の者歓迎」という求人情報も数多く見かけます。

出典:「令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について 」公益財団法人 介護労働安定センター
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2022r01_chousa_kekka_gaiyou_0822.pdf

コロナ禍を経て介護職は「雇用が安定している」と人気に

新型コロナ禍では景気が落ち込み、行動制限の影響もあって、飲食業や旅行業を中心に多くの企業において業績が悪化し、倒産や事業縮小によって職を失ってしまったという方もいらっしゃいました。

一方で介護業界の需要は少子高齢化の影響でうなぎのぼり。慢性的な人手不足で、新型コロナ禍であっても有効求人倍率は3倍以上でした。今後も介護の需要が伸び続けることは間違いなく、安定して就業できると考えられます。

また、介護業界では介護保険料や福祉財源が原資となって給料が支払われるため、業績が低迷して減給されるなどのリスクも低いです。近年では国の政策によって給料水準も上昇しています。

大手企業の介護業界への参入

さらに近年では介護需要の高まりによって大企業も介護業界に参入してきています。大手は給与水準が高い、福利厚生も充実している、就業規則がしっかりしている、信頼感が高いなど、働く人にとってもメリットがたくさんあります

また、介護ロボットや介護器具などの開発や製造、販売に参入する企業も増えてきており、介護職員の労働環境の改善や身体的負担の軽減が進む可能性も期待できます。

異業種から介護職へ転職するメリットは?

異業種から介護業界に転職することでさまざまなメリットがあります。ぜひご自身が希望する条件や働き方と照らし合わせながら、これからの方向性を考えてみましょう。


正社員として採用されやすい

介護業界は前述のとおり人手不足が続いています。2024年5月の有効求人倍率は3.29倍で、かなりの高水準といえます。もちろん正社員として転職するにあたっては資格を保有している・経験があるほうが有利となりますが、とにかく人材がほしいという事業所も多いため、未経験からでも正社員として採用される可能性は十分にある業界です

未経験からでもキャリアアップが目指せる

未経験者を中途採用し、研修や実務経験を通じて人材を育てていくという体制をとっている介護事業所も多いです。就職してから知識やスキルを身につけ、介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格を取得することも十分可能であり、むしろそういった方も非常に多いです。

資格を保有していれば資格手当などもつきますので、収入アップを目指すこともできます。

介護職は未経験でもOK?おすすめの職場や求人の探し方も解説」では未経験から介護職としてキャリアアップを目指す方法や求人の選び方についてご紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。

自分に合った職場や勤務時間、働き方を選べる

介護には特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護など、さまざまな形態の事業所や施設があり、それぞれ勤務形態が異なるため、ご自身に合った働き方が選べる可能性があります

たとえば入居型の施設では夜勤がありますが、その分夜勤手当がつきます。デイサービスや訪問介護であれば日勤しかないため家庭との両立がしやすいです。加えて正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど、雇用形態もさまざまです。

就職支援・復職支援の制度が充実している

介護業界は人材を確保するため、国や自治体でもさまざまな就業支援を行っています。たとえば「介護分野就職支援金貸付事業」を活用すれば、未経験者の方や資格を保有されていない方、現在就業されていない方で、かつ介護職員初任者研修などの研修を受講された方を対象として、介護関連の仕事に就くための費用20万円が貸与されます。そして、介護職員などとして就職して2年経過した場合は、全額返済が免除されるのです。

資格取得や転職活動に必要な費用、あるいは引っ越し代や当面の生活資金など、資金面に不安がある方はぜひ活用を検討してみましょう。

なお、介護分野就職支援金貸付事業は都道府県ごとの任意事業となります。事前に都道府県の窓口で利用できるかどうか確認しましょう。

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前職の経験を踏まえたポジションを介護職で

異業種・異職種からの転職でも、これまでの経験やスキルがまったく役に立たないということはありません。むしろ、人生経験を活かして介護事業所や施設に貢献できるチャンスもあります。ここからはどのような経験やスキルが介護職で活かせるのかについて見ていきましょう。


接客業

介護は利用者やそのご家族、あるいは他の職種と接する、人相手の仕事です。接客で培ったコミュニケーション能力が大いに役立つはずです。特に年齢層が幅広いお店や飲食店での勤務経験があれば、利用者との関係もスムーズに構築できるかと思います。

また、介護施設では食事の提供も重要な業務です。飲食店の厨房の経験があれば、食事の調理や配膳といった仕事にも役立てることができます

営業職

接客業と同様、営業経験がある方もコミュニケーション能力を活かして介護の現場で活躍できます。特に営業は相手のニーズを汲み取って、最適な提案をすることを求められます。利用者やそのご家族のニーズを把握し、それに合ったケアを提案・実施すれば、施設の満足度の向上やご自身への評価につながるはずです

また、営業は社内のさまざまな部署と連携しなければなりません。介護施設も同様です。他部署との連携がスムーズにできるようになればサービスの向上につながります

看護職

看護師の経験がある方は介護業界ではかなり重宝されます。看護師が常駐している施設も少なくありません。また、看護に関する知識があれば、利用者の健康ケアができ、医師管理のもと一定の医療行為も可能となります

基本的に介護施設に常駐する看護師は日勤となるため、一般的な会社員のような勤務時間となり、仕事と家庭・プライベートとの両立もしやすいです。

事務職

介護業界では介護記録の作成や申し送り書類など、意外と事務仕事も多くあります。また、近年では介護業界でもIT化が進んでいます。事務職の経験があり、パソコンのスキルが身についていれば、事務処理を効率的に行うことが可能です

また、介護職員としてではなく事務系の部署や管理系の部署に配属されても活躍できる可能性が大いにあります

ドライバー

タクシーやバス、トラックなどのプロのドライバーも乗客や荷主とコミュニケーションをとる機会が多いため、その経験が介護職で活かせます

また、介護施設では利用者を外出先や病院に送迎するための福祉車両があります。特にデイサービスは毎日利用者を自宅に送り迎えに行かなければなりません。介護ドライバーになれば、安全に車を運転する技術や土地勘を大いに活かせるでしょう

介護ドライバーのなり方や仕事内容については、「介護ドライバーとは?仕事内容や給与など働くためのお役立ちガイド」でさらに詳しくご紹介しています。

介護職への転職を成功に導く3つのポイント

以上のように介護業界へは異業種・異職種からの転職も可能で、さまざまな経験を活かすことができます。しかし、どうしても身体的な負担がかかることと、高度なコミュニケーションが求められる面があるのも事実です。転職してから後悔しないように、しっかりと検討しましょう

ここからは異業種から介護業界に転職するために意識しておきたいポイントを3つご紹介します。また、転職を考える際にはまずしっかり情報収集をしておくことが非常に重要です。介護21では本記事以外にも介護職への転職に役立つ情報をさまざま発信しています。

自身の目的や適性を見極める

介護業界に転職してから「思った以上にきつかった」「覚えることが多くて大変」「想像していた仕事内容と違った」と後悔するケースも多く、実際に離職してしまわれる方もいらっしゃいます。

まずは「なぜ自分は介護の仕事をしたいのか?」「介護の仕事を通じてどうなりたいか?」を考えてみましょう。そのうえで給料や休日、勤務時間などの条件面も定めていきましょう。

特に転職したての頃は慣れない環境で覚えることも多いので、大変に思われることも多いです。しっかりと目的意識をもつことで乗り切れます。

複数の職場を比較、見学に行く

勤務条件や働き方、雰囲気は介護施設や事業所によって大きく異なります。求人情報を収集して、複数の事業所や施設を比較しましょう。また、面接の前には職場見学に参加しましょう。

介護業界では他の職員や利用者との人間関係が非常に重要です。職場見学で実際に事業所や施設の雰囲気を見て・感じることで、自分に合った職場が見つかる可能性が格段に高くなります。

介護関連資格取得を視野に入れ面接時にやる気も強調

未経験の場合、その職場では一番給与水準が低い地点からスタートしなければなりません。特に給与アップを目指されている方は早めに資格を取得することで、資格手当の支給や昇給にもつながります。また、資格取得を目指していることで、やる気をアピールするのも効果的です。

まずは介護職員初任者研修、そして実務者研修、 介護福祉士といったステップで資格取得を目指してみましょう

介護職に転職する前に受けておきたい研修

資格がなくても介護業界への転職は可能ですが、資格があれば先ほどもご説明したように収入アップやキャリアアップにつながり、転職活動も有利になります。しかし、介護関連の資格には実務経験が受験要件になっているものも多いです。

最後に、転職の前段階で取得できる資格を3つご紹介します。


認知症介護基礎研修

認知症介護基礎研修とは認知症の方を介護する上で必要な知識や技術を習得する研修です。2024年4月1日以降、資格を保有していない介護職員すべてにこの認知症介護基礎研修の受講が義務付けられ、対象者が事業所や施設に就職した場合、1年以内に受講させることが求められます。

この研修をあらかじめ受講することで、認知症の利用者に対する的確なケアができるようになり、就業後に研修を受講しなくてもよくなるので面接でも有利に働く可能性があります

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは介護職員に求められる基礎的な知識や技術を学ぶ研修です。実務経験は問われず、どなたでも受験できます。集合型の研修のほか、オンラインでも受講可能です。

受講料は3~10万円程度かかりますが、ハローワークの求職者支援制度を活用する、自治体が運営する介護職員資格取得支援事業を活用するなどして無料で受講することもできます。

特に介護福祉士は介護職員初任者研修の受講が要件となっているため、介護職員にとっては登竜門的な資格といえます

介護職員初任者研修については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。

生活援助従事者研修

生活援助従事者研修とは身体介護以外の利用者の生活支援(掃除や料理、洗濯などの家事)を行う上で必要な知識や技術を学ぶ研修です。

生活支援は特別養護老人ホームや有料老人ホームはもちろん、訪問介護でも必須なので、生活援助従事者研修を受講することで、これらの施設で身につけたスキルや知識を活かすことができます

生活援助従事者研修は都道府県や都道府県知事が指定した教育機関で、どなたでも受講することが可能です。

まとめ:他業種での経験を活かして介護職で輝こう

高齢化でこれから介護サービスのニーズがますます高まるのは間違いありません。一方労働人口が減少し、介護業界では人手不足が続いています。介護施設や事業所においても未経験の転職者を採用して人材を育成するという体制をとっているケースも多く、異業種からでも十分チャンスはあります

特にコミュニケーションに自信がある方、あるいは接客や営業などの経験がある方にとっては向いている転職先の一つです。資格を取得すれば年収アップも期待でき、倒産や業績悪化の心配も低く、安定的に働くことができます。

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ご自宅にいながらにして事業所や施設の雰囲気がわかる「おうちでWeb施設見学」も大好評です。介護21でご自身に合った転職先を選びましょう。

介護21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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