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介護の資格おすすめ一覧!介護職に必要な資格やスキルアップの方法を解説

2023年12月22日

介護業界では資格を取得することでできる仕事の幅が拡がったり収入アップにつながったりします。資格取得は介護職としてステップアップするための近道といえますが、介護に関する資格は非常に種類が多く、どれを取得するべきか悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は介護の仕事をするにあたって必要となる資格、スキルアップするために取得したい資格をご紹介します。介護業界への就職を考えられている方、さらに上を目指されている方必見です

ページ目次

1.介護の仕事にはどんな資格があるの?本当に必要な資格は?

介護関連の資格は取得がしやすい基礎的なものから、取得が難しく高い専門性が求められるものまで、さまざまな種類があります。まずは介護の仕事と資格の関係について見ていきましょう。

介護の仕事は、資格なしでも始められる

そもそも介護職には資格がなくてもなることができます。実際に未経験OK!資格がなくてもOK!という介護施設の求人も見かけます。資格がなくても食事の補助や洗濯などの生活支援、身体介護、レクリエーションの運営など、できる仕事は多いです。

しかし、身体介護を行う際には有資格者の監督が必要であるなど制約もあります。一人前の介護職として働く、仕事の幅を拡げる、待遇アップやキャリアアップするためには、専門知識やスキルを身につけ介護資格を取得するのがベターです。

介護の資格には、公的資格と民間資格がある

介護関連の資格は大きく公的資格民間資格に分けられます。公的資格は厚生労働省などの公的機関が認定している資格で、介護職になったばかりの方を対象にした介護職員初任者研修や介護の実用的な知識や技能を身につける介護福祉士実務者研修、介護関連の唯一の国家資格である介護福祉士、ケアプランの作成ができるようになる介護支援専門員(ケアマネージャ)などがあります。

民間資格とは民間の法人や団体が認定する資格で、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定するレクリエーション介護士、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する認知症ケア専門士など、こちらもさまざまな資格があります。

介護職に役立つ主な資格を一覧で紹介

資格取得を目指す際には「介護職として重要な資格」「キャリアアップにつながる上位資格」「専門性をプラスするための資格」というように、分けて考えて取得する資格を選ぶのがおすすめです。以下に区分別に資格の種類と内容、受講資格をまとめました。

資格名 内容 受講資格
介護職で重要な4つの資格
介護職員初任者研修 介護に必要な基礎的に知識やスキルを習得する だれでも受講可
介護福祉士実務者研修 初任者研修よりも高いレベルの知識・スキルを習得する だれでも受講可
介護福祉士 身体介護や生活支援、ご家族の対応や介護職員の諡号など幅広くかつ高度な知識・スキルを身につける 3年以上の実務経験があり、かつ介護福祉士実務者研修取得者もしくは福祉系の高校を卒業していること
介護支援専門員(ケアマネジャー) ケアプラン(介護計画)の作成や利用者へのモニタリングができるようになる 以下のいずれかを満たす ・介護福祉士など該当の国家資格等に基づく業務を通算して5年以上かつ900日以上従事した者 ・生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務を通算して5年以上かつ900日以上従事した者
キャリアアップにつながる上位資格
認定介護福祉士 介護スタッフや他職種との連携、サービスのマネジメント、地域の介護力向上につながるような知識やスキルを習得する 介護福祉士として5年以上の実務経験が必要
主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー) ケアマネージャーの上位資格。ケアマネージャーの育成や指導、地域社会の介護サービスの向上につながるような、より高度な知識・スキルを身につける ・ケアマネージャーの資格保有者 ・実務経験5年以上
専門性をプラス!介護職に役立つ資格
喀痰吸引等研修 たん吸引が行える介護職員を養成する ・事業所長や施設長が推薦する人 ・施設の配置医や利用者の主治医からたん吸引を承認されている人
認知症ケア専門士 認知症ケアの総合的な知識やスキルを習得する 認知症ケアを行う施設や団体などで3年以上の実務経験
レクリエーション介護士 介護施設におけるレクリエーションの企画・運営に必要な知識やスキルを習得する だれでも受講可(2級の場合)
福祉用具専門相談員 福祉器具の選定相談や計画、適合や取り扱いに関する説明などができる人材を育成する 福祉用具専門相談員指定講習を受講済みの人
介護事務(ケアクラーク) 介護報酬の請求業務、書類作成、現場業務の補佐など介護事務の人材を育成する だれでも受験可

2.介護職で必要とされる基本の資格4つ

介護福祉士で必要とされる資格として「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」が挙げられます。また、介護福祉士の資格を取得すると「介護支援専門員(ケアマネジャー)」も取得できるようになります。これらの資格の特徴についてご説明します。

2-1. 介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、実務経験がなくても取得できる介護の入門資格です。介護の基本を学ぶことができるため、介護関連の資格を持っていない方は、まずは介護職員初任者研修を取得しましょう。資格取得のためには、通学または通信制(一部の科目では通学が必須)にて、合計130時間の講座を受講する必要があります。資格取得までの期間は平均で4カ月程度です。

2-2.介護福祉士実務者研修

介護福祉士員実務者研修は、初任者研修の上位資格で、さらに質の高い介護知識や技術を学ぶことができます。取得者は、サービス提供責任者となることができ、たんの吸引など医療ケアも提供できるため、介護業界では求められる存在です。本研修の資格取得と合わせて3年の実務経験があると、介護福祉士の受験資格を得ることができます。介護職として本格的にキャリアを積んでいくためには、必須の資格といえるでしょう。

2-3.介護福祉士

介護福祉士資格は、数ある介護資格の中で唯一の国家資格です。介護福祉士の仕事は、利用者の身体の介護や生活支援に加えて、ご家族の相談対応やアドバイス、介護職員の指導業務まで幅広い業務を提供できるようになります。介護業界の資格の中では、取得することが比較的困難です。3年以上の実務経験と介護職員実務者研修を取得しているか、福祉系高校を卒業することで受験資格を得ることができます。

2-4. 介護支援専門員(ケアマネジャー)

ケアマネジャーの名前で知られる資格で、正式名称は「介護支援専門員」です。ケアマネジャーの役割は、利用者が介護サービスを適切に受けられるようにサポートすること。具体的には介護保険サービスを受ける方のケアプランの作成や、利用者へモニタリングを行います。そのため、介護サービス全体を見通すための幅広い知識や対応能力が必要です。 ケアマネジャーも介護業界の資格の中では取得が比較的難しく、受験資格を得られるのは、「介護福祉士など該当の国家資格等※に基づく業務を通算して5年以上かつ900日以上従事した者」もしくは「生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務を通算して5年以上かつ900日以上従事した者」です。

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3.介護職でキャリアアップにつながる上位資格2つ

介護職のキャリアとしては大きく分けて介護福祉士として現場で活躍する道と、ケアマネジャーとしてケアプランの作成や利用者・ご家族の相談役になるといった道が挙げられます。介護職としてステップアップしたいなら、上記でご紹介した上位資格取得を目指しましょう。介護福祉士の上位資格としては「認定介護福祉士」、ケアマネジャーの上位資格としては「主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)」というものがあります。

3-1.認定介護福祉士

認定介護福祉士は一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が認定する資格です。民間資格ではありますが、国家資格である介護福祉士の上位の位置づけとされています。

認定介護福祉士には介護職員や他職種との連携やサービスの管理といったマネジメント的な業務に携わり、地域社会全体の介護サービスの質の向上を担う役割が期待されています。認定介護福祉士になるためには認定介護福祉士養成講座を受講する必要があり、介護福祉士としての実務経験が5年以上あることなどが受講要件となっています。

3-2.主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)はケアマネジャー(介護支援専門員)の上位に位置する資格です。やはりこちらもケアマネジャーの育成・指導や介護サービスの質の向上など、介護施設あるいは地域社会においてマネジメント的な役割が担える人材の育成が主眼におかれています

主任介護支援専門員を取得するためには70時間の講義と演習からなる主任介護支援専門員研修を受講する必要があります。また、ケアマネジャーの資格を保有していることと、5年以上の実務経験を有することが要件です

4.専門性をプラス!介護職に役立つ資格5つ

上記でご紹介した資格に加えて専門資格を取得することで、よりご自身のスキルや知識がアピールできるようになり、キャリアアップにつながりやすくなります。ここからは専門性をプラスするのにおすすめな5つの資格についてご紹介します。

4-1.喀痰吸引等研修

たん吸引はもともと医師や看護師などの医療職のみに許されていた医療行為です。喀痰吸引等研修では安全かつ適切なたん吸引が行える介護職員の育成を目的として、医療従事者による講義や演習が行われます。研修の種類は1~3号まであり、喀痰吸引と経管栄養ができるようになる1号に関しては介護福祉士の資格がない人も受講できます。

4-2.認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する民間資格です。認知症ケアの総合的知識や実践について学ぶことができます。受験するためには、認知症ケアに関する施設または団体機関などで3年以上の認知症ケアの実務経験が必要です。資格保有者は認知症専門のグループホームやデイサービスへの就職も有利になるでしょう。

4-3.レクリエーション介護士

コミュニケーションや、レクリエーションの企画から実行までのコツを学ぶことができます。一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定する民間資格であり、1級・2級があります。2級は特に受験資格がなく誰でも受験できます。現場でのレクリエーションをもっと充実させたい方におすすめです。

4-4.福祉用具専門相談員

福祉用品専門相談員とは福祉器具に関する相談対応や選定、提案、説明、導入計画が立てられるプロフェッショナルの育成を目的とした資格です。介護保険の指定を受けた福祉用具貸与・販売事業所には2名以上の福祉用品専門相談員の有資格者を配置しなければなりません。資格を取得するためには各都道府県が指定する研修事業者が実施する、50時間のカリキュラムからなる「福祉用具専門相談員指定講習」を受講する必要があります

4-5.介護事務(ケアクラーク)

ケアクラークは介護報酬の請求業務、書類作成、電話・窓口応対、介護職員の補佐などを担う介護事務従事者の知識やスキルアップ、社会的・経済的な地域の向上を目的とした資格です

一般財団法人日本医療教育財団が主催している技能認定試験に合格すれば資格が取得できます。誰でも受験でき、合格率も70%と比較的難易度が易しいため、介護事務として就職・転職したいと考えられている方にもおすすめです

5.介護職で資格取得をする3つのメリット

冒頭のとおり介護の仕事は資格がなくても、あるいは未経験でも就くことは可能です。しかし、あえて勉強して資格を取得する意味はどこにあるのでしょうか?ここからは介護の資格を取得する3つのメリットについて考えてみましょう。

5-1.スキルアップ・キャリアアップにつながる

資格取得の過程で研修を受けたり勉強をしたりすることで介護に関するより専門的な知識やスキルが身につくため、スキルアップにつながります。介護や利用者へのケアに関する考え方も学ぶことができ、より質が高い介護サービスの提供にもつながります

また、介護に関する知識やスキルを持っていることを客観的に証明できる資格を取得すれば、就職や転職にも有利に働く可能性が高いです。特に上位資格や専門性をアピールできる資格を保有していれば、転職先や就職先の選択肢の幅も拡がります。

5-2.資格手当がつき、給料アップにつながる

資格を保有していればできる仕事の幅が拡がるため、昇給・昇格できる可能性も高くなり、給料アップにもつながります。また、資格手当を支給している介護施設も多く、資格を取得した時点で収入が上がる可能性もあります

実際に厚生労働省が発表している『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』では、無資格の介護士と有資格者の介護士では、後者のほうが高収入であるという統計結果も出ています。

介護士の給料アップの方法については、こちらの記事も参考にご覧ください
介護士の給料はどのくらい?収入を上げる方法もあわせて紹介

5-3.就職・転職の際に応募できる求人が増える

資格を取得することでより高待遇の求人に応募できるようになるのも大きなメリットです。未経験者、資格未取得者を採用している介護施設もあるのですが、特定の資格を取得していることを応募条件にしている介護施設や事業所も多いです

特に昨今では介護業界においては人材不足が大きな問題となっています。人材育成にかかるリソースを削減できるため、即戦力となる人材や資格を保有している人材は採用される可能性が高くなります

6.まとめ:資格取得でキャリアアップしよう

介護の資格は未経験・無資格でもはじめることはできます。しかし、資格を取得すればより仕事の幅が拡がり、キャリアアップや収入アップにもつながるはずです。

今回の記事を参考に、まずは比較的ハードルが低い介護の基本的な資格取得を目指し、その後は上位資格や専門性が高い資格を取得するというように、ステップアップを目指しましょう。

介護21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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