メンタルサポートを重視し、
一人ひとりに合わせた教育を実施。

－新人時代について教えてください。

介護系の大学を卒業後に新卒で特別養護老人ホームに入職したのですが、実際に働いてみると、学校で習っていたことが通用せず、うまくいかないことが多かったです。ですが、困った時に上司に相談するといつもスムーズに状況を判断し、利用者様への対応方法などを教えてくれたので、安心して働けていましたね。

－印象に残っている利用者様とのエピソードはありますか？

新卒入職1年目のときに東日本大震災が起きて、被災地の介護が必要な方の見守りをするボランティアに参加しました。そのときに、被災地の方のほうが大変だと思うのに、私に食べ物をくれたり、「大丈夫？」「ありがとう」と声を掛けてくれたりしたんです。助け合いや支え合いの大切さを痛感しましたし、その経験が今も自分の中で生きていると感じます。

そこからは、どんなときも穏やかに優しさを持って物事に向き合うようになりました。仕事をしていると大変なことも多くて、つい心に余裕がなくなってしまうときもありますが、こちらから積極的に利用者様に「ありがとう」などとお声がけするようにしています。

－一度他業種に転職したそうですね。

ええ。30歳位のときに他の仕事も経験してみようと思い、8年間勤めた特養を退職して、不動産関係の営業職に就きました。数字に追われながら働く中で、「人と深く接する介護の仕事が私に合っているな」と改めて感じて、介護の世界に戻ることを決めたんです。

「リハビリケアかつしか」に入職を決めたのは、上尾中央医科グループ（AMG）という大きな母体の老健で、お休みや福利厚生が充実していることに惹かれたからです。実際に入職してみたら、働きやすさだけでなく教育制度も整っていて、プリセプター制度で丁寧にサポートしてもらえましたし、わからないことをすぐに聞ける環境だったので、とてもありがたかったです。

－入職後の教育体制について教えてください。

新卒者にも中途入職者にもプリセプターを付けて指導を行っています。指導期間は基本的に3カ月間ですが、新人さんのこれまでの経験に合わせて期間延長もしています。介護の仕事が未経験の方には、仕事を覚えてもらうことよりも施設に慣れてもらうことに重きを置いて、入職後1～2週間位は業務を行わずに見学だけしてもらっています。

－研修についても知りたいです。

施設内研修は、教育委員会が年間計画を立てて月1～2回開催していて、そのときに学ぶべきテーマがあれば、プラスで研修を行っています。また、当施設には、葛飾区の老健で数少ない、認知症指導者研修を修了している介護科長が在籍していて、その方が講師となって行う研修もあります。通常であれば外部講師を招いて行う内容を施設内のスタッフから学べるので、認知症に関する知識をしっかり深められる環境です。

加えて、スマホやパソコンから手軽に講義を受けられるAMGのeラーニングも活用しています。当施設ではAMGのラダーに沿って定期的に目標管理面談を行い、ラダーのレベルアップに必要な研修を各人に提示するようにしているのですが、その研修もeラーニングで受けられますよ。

－新人さんを育てる上で心掛けていることはありますか？

介護の仕事が未経験で入職する方が多いため、メンタル面をサポートすることを大切にしています。働く環境が変わると仕事がイヤになってしまうこともあると思うので、新人さんには「困ったことはない？」などと積極的に声を掛けるほか、入職1週間後・2週間後・1カ月後に面談を行い、不安や不満がないかをヒアリングするようにしています。

また、私は職場環境を平等ではなく公平にしたいと思っていて、「皆ができているから、あなたもできていないとダメ」ではなく、個々の能力や成長に合わせて教育することを心掛けています。

－入職を考えている方へのメッセージをお願いします。

介護を行う上で大切なのは、利用者様がその行動に出た背景を想像してケアを行うことです。例えば、そわそわと何度も立ち上がってしまう利用者様に対して、ただ座ってもらうのではなく、「トイレに行きたいのかな？」などと想定して、訴えがなくてもトイレに誘導したりおむつ交換をしたりと、原因を考えて解消することが大切です。

利用者様の対応方法で悩んだときは、一緒に原因を考えるので、不安や不満をため込まずに相談してくださいね。こちらからも声を掛けて、新人さんが安心して働けるようにサポートします。